インド細密画を学んで
インド細密画は日本画と手法が似ている
現在、私はインド細密画を学んでいる。
その過程で感じたことはインド細密画と日本画の手法がよく似ているという事だ。
というかインド細密画そのものを学ぶにあたっては、日本画絵の具を使っている。厳密に言えばインドの絵の具を使えばよいのだが、成分的に、あるいは視覚効果的に大差はないと思われる。(勿論、日本画に関しても初心者の私が偉そうには言えないことは承知している)
何が違うのかというと、絵柄が大きく異なる。
インド細密画と言っても歴史や地方によってはまったく雰囲気が異なる(枠線の中に神や伝承物語を描くミティラー画、自然界への畏敬や祈りの込められたワルリー画等)のだが、私は自分のインド細密画を描いた感想の概要を述べたい。
わたしが今描いているインド細密画
現在、私は下の画像のようなインド細密画を参考にして自分の中でイマジネーションして描いている。
蛍光灯の光が映り込んでいることはご容赦頂きたい。
いわゆる宮廷画のようなジャンルであろうと思うが、色彩の配置や構図、自然界と人間存在とのバランス感が秀逸であり、イラストレーションとして観ることも出来ると思う。
実のところ私はこの絵の空の色と緑と白の配置に心動かされた。ここには喧騒を離れた平和がある。自由を感じる。
インド細密画には宗教的なものも多いが、自由を感じるものが多く、色彩の配置や融合が現在におおいに通じるものも多い。この雰囲気はどのようにしたら自分の絵に取り込むことができるだろう?これが私が現在インド細密画を学んでいる動機である。
先生について学びつつ今現在たどり着いた第一作が以下の作品である。
ここに描かれている人物はインドの詩聖タゴールである。私が尊敬するタゴールがあるインドの暑い日自然の中で瞑想しつつ夕涼みをしている姿を描いている。最終的にはこの絵にサンスクリット語で平和を意味する言葉を金泥で添える予定だ。
メッセージ性を効果的に視覚の中で伝えるジャンル
勿論、インド細密画の取り組みは私の中で始まったばかりであり、至らない部分も多くあるし、今後どのように私の画風に影響するかはわからないが、描いている中で思ったのは、インド細密画というジャンルは視覚効果的にメッセージ性を伝えることに優れているのではないかという事だ。メッセージ性はそのままイラストレーションの世界に通じる。
何か伝えたい固有のメッセージがある時このような画風は効果を発揮するかもしれない。