ミニ屛風絵という風景
現代の屛風絵はミニサイズである
私は時として、和紙を使って張り子をつくる。
あるとき私は張り子作品のバックに小さい屛風絵を置く事を思いついた。
屛風絵なら張り子の持つ日本的情緒や紙の質感に合うのではないかと思ったからだ。
ネットで卓上に置ける屛風を探した。
作品は7㎝ほどなので、それに見合う大きさじゃないといけない。
折りたためて机の引出しに収納できなければならない。
私は現代社会の普通の日常に溶け込む作品に価値を置いている。
現代の屛風絵はミニサイズであるべきだと思う。
わたしのイメージ通りの商品を見つけ、購入し
早速描いてみた。
屛風絵を描いてみて
純粋に刺激的だった。
頭の中と心のなかでは、その姿がすでにあり
それを現す作業なのだが面白かった。
ほとんど直観的に描きあげ
作品をそこに置いてみると
屛風に描いた風景の前で猫が座り、存在感を増していった。
風景は猫の存在感と相まって広がりはじめ、イメージの世界にアクセスしはじめた。
風が緩やかに吹き
空気の匂いが現れた。
これは追求に値すると思った。
また描くつもりだ。