作品〝クジラに乗った少女〟について
クジラに乗った少女
この作品は、ボードにモデリングペーストを塗り、アクリル絵の具で描いている。
海と宇宙と、古代人とそこに展開されてきた伝説が込められている。
海も空も、私たち生身の人間には厳しい側面をもつが、自然界に祈りと畏敬を捧げて生きていた私たちの祖先は
海、空、大地、宇宙、風、火、土とともに生き、非常に良い関係を築いてきた。
彼らの内面世界にとって自然界はどこまでも優しい。
それは現在を生きる私たちの魂にも受け継がれているはずだ。
絵や音楽など芸術というものは、そこに受け継がれている祈りを色彩や音で同じ系統の仲間たちにシェアすることができる。
青色系統の世界の持つ清純さ
青色系統は私にとって静寂であり、とても落ち着く色だ。静寂を清純さが支えている。そこにはわがままな人間世界特有のデリカシーのない言葉の数々や傲慢な振る舞いは入り込む余地がない。
クジラによって選ばれたその少女が、まさかあの伝説の英雄の再来とは、社会に毒された人間たちにはわかろうはずもないのだ。
彼女を讃える者たちは青色系統の世界の者達である。
彼らは物静かで素朴だが、誰よりも勇敢な生活者である。祈りと美への探究が彼らの姿を気高くさせる。
ひとつだけはっきり言えることは、クジラたちは少なくとも静かさのなかに敬虔な気持ちを抱く私たちにとって
仲間だという事だ。