能には精霊が登場する
能には精霊が登場する
私は〝能楽シリーズ〟として、能の絵を描き続けている。
最近では〝西行桜〟を描いた。
この能楽でもそうだが、能には精霊がしばしば登場する。
能の作者は制作当時、便宜上精霊を登場させたのかもしれないが
日本人は古来より
樹や花などに霊的な、ある種人間にも通じる存在を感じていたと思う。
能にはそういうスタンスがある。
精霊の存在を信じ得る人々の心を汲む立場をとっている。
そして私も〝精霊〟の存在を信じている。
詩人、画家はシャーマンに通じる
多くの詩人 多くの画家はシャーマンに通じると私は思う。
シャーマンすなわち
日常の喧騒や仕事に追われていたり飲み込まれていたら決して見えないものが
彼らには見える。
日常の喧騒の中ではなかなか感じることが困難なものが
彼らには感じられる。
精霊もまた然りだ。
花や樹に精霊が宿る事を素直に感じられるなら
その人は少なくとも詩人だ。
私が能が好きな理由
私が能を愛し、
能の絵を描くのは
樹にも花にも〝精霊〟を感じる、古代より続く日本人のこころ(シャーマニズム)が
そこにあるからだ。
そのDNAは確かに私の中にもある。
だからわたしは能を描く。