犬の絵と張り子
犬の顔
犬の顔は憎めない。
どの犬もどこかしら愛嬌があり、人間に対して何らかの敬意を抱いているかのように見える。
犬を見ていると、こんな声が
遠く太古に、人類と犬が初めて出会った日の源から聞こえてくるような気がする。
「忘れるなよ。俺は(わたしは)あんたたちの味方だよ。あの時友達になっただろ?」
犬は遊びたい
犬は人間に媚びているという人間がいる。
それは間違っていると思う。
犬は友達である人間とただ遊びたいのだ。
一緒に遊びたくて仕方ないのだ。
人間のなかで何処にこれだけ本気で一緒にいることを喜んでくれる人がいる?
どこにこれだけあけっぴろげに一緒に遊ぶことに全力な人がいる?
犬を見ていると時に涙が溢れる事がある。
犬は覚えている
犬は人間と友達になった事を今も純粋に覚えていてくれて、
ちぎれそうな位に尻尾で喜びを表現してくれる。
犬は人間とは実に長い付き合いだ。本当に長い付き合いだ。
犬は人間の悲しみや辛さや苦しさを敏感に察知する。
そして優しく顔を舐めてくれる。
その姿に涙が出てくる。
歳をとったからだろうか?
人として色んな経験をしたせいだろうか?
犬の優しさがわたしにはとても沁みる。
犬の絵を描くとき
犬の張り子をつくる時、
わたしは実は何度か泣いている。