絵の額装・飾り方について
絵は額装によって雰囲気が変わる
絵を額装すると途端に雰囲気が変わる。絵を額装して飾るのは、人間にたとえるなら外出時にドレスアップするようなものだ。
スーツを着るのか、ジーンズ姿でこなれた服装にするのかによっても印象は違ってくる。
帽子を被っても印象は変わってくるし、革靴かスニーカーかデッキシューズかによっても違う。
この場合、服や帽子、靴に該当するのが絵でいう額装である。
くたびれたオジサンがスーツを着た途端に引き締まった紳士に変貌する例は珍しくない。
スーツが似合う人もいればパーカーやTシャツが似合う人もいるのと同じように、絵もその絵に似合う額装がある。
勿論、T.P.O.によって使い分けて良い
くつろぐことがメインの居間などでは、額縁なしのパネルで展示し、リラクゼーションを高めるための演出をしても良いし、仕事部屋ではビジネスに集中できるようなスリリングな色調で額装するのも面白い。
絵の大小、数、並べ方なども自由だ。
要はそこでどのような時間を多く送っているのか、どのような雰囲気の場所なのか、人生上のどのような濃度で過ごすところなのかによって大きく役割が変わってくる。
それを計算して絵を選び、その絵を額装すると良いと思う。
絵を飾ることも創造である
画家が絵を描くことは勿論純粋なる創造だが、上述のように自ら能動的に計算して絵を飾るならば、絵の飾り手も創造していると言える。
ほかでもない自分自身が気に入った絵を購入し、自分に相応しいと思う場所にその絵を飾る。しかも自分自身の裁量によって。
赤系統の色が欲しいなら赤を、白なら迷うことなく白を選び自分の過ごす場所に少しでも心地よい波紋を広げていく。それはまさに創造である。
たとえそこが厨房であろうと、設計事務所であろうと、自分が自分の裁量で選んだ絵を、さらに最も引き立つと思える額装までして絵を飾る。
そんなあなたも立派な創造者だと言えるだろう。
絵を飾ろうという積極的自覚
さあ私はここに私が選んだ絵を飾ろう、その絵の作者が有名無名は関係ない。そのような自覚に基づいて
より良い、より興味深い、より面白い、よりかっこいい生活空間を演出する人々が沢山この国に増えることを、私は願い信じている。